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「DCD(発達性協調運動障害)学会」レポ① 〜アダプテッドという視点〜

こんにちは!
株式会社なかい予備校グループの趙です。
私は臨床発達心理士、公認心理師として日々お子様たちに関わっています。

先日、岡山県で開催された「DCD(発達性協調運動障害)学会」に中井と二人で参加してきました。
日本ではまだまだ認識されにくい「発達性協調運動障害」に関する研究の最前線を垣間見てきたので、皆様と共有していきたいと思います。

このレポートは①と②があります。
②は名古屋校のブログであげているので、そちらも是非ご覧くださいね!!

https://suieiyobikou-nagoya.jp/2023/05/15/co-op_approach/

DCD(発達性協調運動障害)の現状

実は、日本ではDCDの診断というのが、あまり出されない現状があります。
その理由は、子どもの状態をDCDという観点で客観的に測ることが難しいからです。
医療機関でもDCDの診断を出さられるドクターも少ないです。

自閉スペクトラム症(ASD)や、ADHD、LDなどの診断は、一般的にも周知が進んでいて社会の中でも使われる単語になっていますね。
しかし、DCDはまだまだ歴史が浅い分野なので、これから普及されていく概念だと言えます。

DCD(発達性協調運動障害)の困り感

DCDのある子どもたちは、基本的不器用さが見られます。
運動には、身体全体を動かす「粗大運動」と、指先などを細かく動かす「微細運動」がありますが、どちらにも苦手さが出ることも多くあります。
そんな子どもたちは具体的にどんなことに困るのでしょうか。
実は、「体育が苦手」、「運動が下手くそ」、「走るのが遅い」…そんな話ではないのです。

人間は日常生活の中で様々な運動を行います。
朝ベッドから起き上がるのも運動、服を着替えるのも運動、歯を磨くのも、ごはんを食べるのも運動です。
学校でノートに文字を書いたり、いすに座ったり、ランドセルに教材を入れるのも全て運動を伴うのです。
DCDの子どもたちはこの日常動作のあらゆる所で苦手さが見られます。
特に学校の中だと、周りの同年齢の子どもたちとの比較が起きるので、必然的に目立ってできやすいところがあります。

私自身は、子どもの頃に「DCD」という概念があったら、きっと診断が出ていたのではないかと思うくらい粗大運動が全然できません。
体育にはとても苦労しました。
マット運動(特に後転)ができない、跳び箱が飛べない、逆上がりができない、縄跳びも大苦戦でした。自転車に乗れるようになったのも、小学校3年生くらいだったと思います。
このように、学校の体育の授業では本当に困ることが多いのです。

微細が苦手なお子様だと、ノートを書くのに時間がかかる、文字が正しく書けない、ハサミがうまく使えない、お箸が難しい、ペットボトルのキャップが開けられない…などがあるのではないでしょうか。

余談ですが、今回の学会で様々な先生が事例として発表している子どもたちの姿を見ながら、私自身はとても共感を覚えました。
「わかるよー!!難しいよねーー!!意味わからんよねーー!!!」と内心叫んでおりました。
それくらい私には、「運動」についてどう動いているのか、理解できないことが多かったなと自分の幼少期を振り返りました。
マット運動の体育の前には自宅で家族みんなで練習したのを覚えています。
兄弟は全員運動が得意だったので、私の練習に付き合ってくれていたのですが、兄弟は私を見て意味がわからなかったと思います。なんでできないの?と思っていたでしょう。
それでも家族が根気強く付き合ってくれのは、幸いだったなと思います。

アダプテッドという視点

しかし、現状生活の中で「運動に関する支援、合理的配慮」をもらうことはとても難しいです。
運動について配慮するには人間の運動発達の段階を知り、子どもが今どの段階なのかを把握する必要があります。ただ、体育の授業ではそこが難しいのが現状です。
今回の学会では、「アダプテッド」という視点がトピックスになっていました。

アダプテッドとは、子どもの運動発達の状態(何がどこまでできているのか)を見て、その子がどうすれば運動に参加できるか、どんな運動だったら楽しく参加ができるのかを考えるという視点です。
私の幼少期にもこんな視点があればなー…と思いました。
子どもが運動を楽しむことはとても重要です。楽しいと思えると、もっとやりたくなるし、そこから上手くなっていくのです。

子どものペースや能力に合わせた運動を少しずつでも積み上げていくことができると、達成感を持つことができますし、自己肯定感も上がります。

この視点がもっと広がればいいなと思います。

DCD学会で実践発表をされていた学校の先生方はとても素晴らしい工夫をされていました。
私も含めて、DCDだからといって運動嫌いではないのです。
私は中高運動部でした。全然できませんでしたが、運動自体は好きです。
なんならクラスで一番はりきっていました笑
でも、できないことで落ち込むことが続くと、運動嫌いになってしまいます。
そうならないためにも、アダプテッドの視点はとても重要だなと思いました。

こんな感じで感慨深いDCD学会でした。
https://dcdjapan.main.jp
来年は大阪での開催となりますので、来年も参加しようと思います!

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