【なかいコラム】障がい児・者コース紹介──3年間の成長ストーリー
今回の【なかいコラム】は、代表中井のレッスン記録をお届けします。
障がい児・者コース 3年間の成長ストーリーをご覧ください(^^♪
2022年5月、発達障害(自閉スペクトラム症)と重度知的障害がある小学3年生の男の子と出会いました。
プールでは誰にでもニコニコと愛想よく接する姿が印象的ですが、不安が強めで、言葉でのコミュニケーションは限られるので、自分の気持ちを言葉にするのは難しいタイプです。
最初は浅いプールを1人で歩くことも難しく、深いプールには浸かることすら一苦労でした。
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2022年冬
“ゴーグルデビュー”。
顔を水につけることはまだできませんでしたが、ゴーグルをつける練習を始めました。
頭にゴーグルをつけることも難しかったので、まずはゴーグルを頭にのせること練習からスタート。
少しずつゴーグルをつけて過ごせるようになりました。
同じころ平行して背面浮きの練習を始めました。、私に後ろからハグされる事も難しかったので、まずはハグの練習からスタート。
ハグされながら背面浮きで移動することができるようになりました。
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2023年夏
コースロープをくぐる練習に挑戦。
最初は、私がコースロープを持ち上げて一緒に通過。
その後は1人でくぐるようになり、少しずつ「やってみたい」という気持ちが見えるようになりました。
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2024年夏
「行きたくない」となる時期が訪れました。
原因は“無理やり潜らせてしまったこと”かもしれません。
あるいは、私にベタベタしてくる事を怒ったからかもしれません。
理由ははっきりとはわからないまま、潜りの練習は一旦中止。
代わりに水中移動を中心に、ときどきコースロープをほんの少しだけくぐるスタイルで続けました。
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2025年春
ついに、これまで難しかった“顔つけ”に成功!
顔付けの練習を促しても今まではやってくれませんでしたが、
ある日、顔付けを促すと自分から顔付けにチャレンジ!
安心感を積み重ねてきたことで、一気に成長が見られました。
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2025年夏
顔をつけて浮くこと、さらにゴーグルを1人でつけて(自分からゴーグルを目にあてて)潜ることにも成功しました。
最初は浅いプールを歩くのも難しかった男の子が、今では自分から水に挑戦するようになったのです。
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2025年秋(現在)
いよいよ本格的にバタ足練習にチャレンジ中。
また新しい一歩を踏み出し、できることがひとつずつ増えていく姿を、これからも一緒に見守っていきたいと思います。
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水泳は、ただ泳げるようになるだけではありません。
気持ちが揺れる時期も含めて、積み重ねた時間そのものが子どもたちの自信や楽しさにつながっていきます。
そして成長の仕方も、階段を一段一段のぼるような直線的なものではありません。
ためて、ためて、時には後戻りもして。ある日突然三段くらい一気にのぼる──そんな瞬間が訪れるのが水泳の面白さです。
この3年間、水泳がここまでできるようになったのは、何よりも本人の成長があったから。
できることが増えただけでなく、わかることも増えてきたからこそ、新しい一歩につながっているのだと思います。
その姿をそばで見守りながら、私自身もたくさんのことを学ばせてもらいました。
そしてもうひとつ大きかったのは、お母さんとの擦り合わせです。
日々の様子や小さな変化を共有していただきながら、一緒にレッスンを作り上げてきたからこそ、ここまでの成長につながったのだと思います。
また来年の夏、どんな姿を見せてくれるのか──今から楽しみです。